水酸化マグネシウムを用いた廃水中の フッ素除去機構の解明および定量モデル化

摘要

鉱山廃水やガラス製造排水にはしばしば一律排水基 準値以上のフッ素が含まれており,その効率的な除去 法の確立が求められている。フッ素の一般的な処理法 としてカルシウムによるフッ化カルシウムの凝集沈殿 法が挙げられるが,それにより大量の汚泥が発生する という問題がある。そこで,汚泥量を削減し効率的に フッ素を除去する新規方法として水酸化マグネシウム による共沈法が考案されている。しかし,その具体的 な除去機構は明らかにされておらず,除去量の定量的 な把握ができていないため過剰に薬剤を使用せざるを 得ない状況である。本研究では水酸化マグネシウムを 使用した効果的なフッ素処理プロセスを構築するため に,フッ素除去実験と反応後の水酸化マグネシウムの 固体分析を実施し,化学平衡計算と併せて評価するこ とでその除去特性を明らかにした。