ジメチルスルホキシド(DMSO)の熱分解中間生成物の分析

摘要

ジメチルスルホキシド(DMSO)は様々な優れた溶剤 特性を持ち広く利用されているが、その一方で爆発事 故例が多いことが知られている。自触媒分解をするこ とが安全管理上の課題である[1]が、DMSO 分解時の 自触媒について詳細は明らかにされていなかった。 本発表者らはDMSO 中で発生する酸類が自触媒とし て働くことを見出した[2]。またDMSO 完全分解後の 残渣にラジカル分解生成物が認められること[3]、量子 化学計算からはDMSO 分解の大きな発熱はラジカル 分解によると考えられること[4]を報告した。 新たにDMSO は等温加熱試験の誘導期に、安定性 の乏しい中間生成物を与えることが見出された。本発 表ではこの中間生成物を化学分析と量子化学計算で決 定し、反応経路を推定した結果を報告する。