X線イメージングおよびデジタル画像相関法を用いたゴム内部の変形挙動の可視化

摘要

近年タイヤ業界ではラベリング制度が導入されたことにより，低燃費タイヤであるかが一目でわかるようになり，低燃費タイヤの需要が拡大している.また，自動車業界ではEV車の開発が進められている.EV車の問題点である走行距離の短さを改善するためにもタイヤの低燃費化が求められている.タイヤを低燃費化する方法として，転がり抵抗値を小さくすることや，軽量化などが挙げられる.しカゝし，転がり抵抗を小さくすると摩擦係数が小さくなり，ダリップ力が低下し，タイヤの安全上の問題が発生する.同様に，計量化においても，EV導入で車重は增えるためタイヤー本当たりがかかる力が增ぇ，安全上の問題が発生する.これらの問題に対する技術として，タイヤのトレツドパターンの工夫，接地形状の最適化，タイヤ部材の最適化などが挙げられる.タイヤ部材の最適化を行うためにはゴム材料の弾性メカニズムを理解しなくてはならない.しかし，ゴム材料は鎖状分子であり複雑な構造であるためほとhど解明できていない状態である.また，変位量が大きくひずみゲージではひずみを測定できない問題がある.そこで，網野氏はゴムと路面の摩擦下で接触状態を観察する為に，X線を用いて観察を行った.坂田氏はX線画像相関法を用いてタイヤと路面を模擬した突起との摩擦時のひずみ分布を得られることを示した.