結晶化が炭素繊維強化ポリアミド6の静的曲げ特性に及ぼす影響

摘要

近年，自動車や航空機業界ではエネルギー消費量軽減の観点から構造の軽量化が求められているそこで,高い比強度，比弾性率を持ち，熱硬化性樹脂を母材とした炭素繊維強化熱硬化プラスチック(CFRTS: Carbon Fiber Reinforced Thermosetting plastic)が従来の金属材料の代替として使われてきているが，成形に時間がかかり，高コストであるという問題がある.そこで,CFRTSと同等に近い比強度，比弾性率を持ち，熱可塑性樹脂を母材とした（CFRTP: Carbon Fiber Reinforced Thermoplastics)が注目されている.CFRTPはホットプレスを用いた成形が可能なため，成形コスト削減，成形時間短縮による生産性向上が見込まれる，CFRTPは熱を加えることで餅母材樹脂が溶融レ,強化繊維との分離がCFRTSと比較して容易であることからリサイクル性にも優れ，廃棄処分による環境への負担を小さくできる.現在においては，すでに一部の航空機においては水平尾翼や方向舵，昇降舵，フロアーパネルなどにCFRTPへの材料置換に向けた開発が行われている.