デマンドレスポンス適用を目指した予冷運用および居住者行動の効果検証その1温熱環境および電力需要の評価

摘要

予冷運用に関する温熱環境の分析より、予冷運用を行うことで、DR時間帯は、エアコンを停止しても、WBGTは25°C以下で熱中症の危険は小さく、PMVは+0.5程度で快適性が維持できる可能性が示された。予冷運用時はやや低温となっており、予冷時の快適性をさらに向上させるためには、エアコン停止時間の短縮や、比較的低温となるDR時間帯の過ごし方など居住者の主体的な行動変容なども必要であると考える。エアコンの電力消費の分析からは、予冷運用により電力需要をDR前にシフトできる可能性が示唆された。DR時間帯のエアコン動作がDR後の電力消費量に大きく影響したことから、予冷運用に適したエアコン制御手法のさらなる検討が必要であるといえる。DR時の居住者行動の変容が快適性へ及ぼす影響の把握を目的に行った被験者実験の概要について述べた。実験住宅の室内環境にっいて、条件間で大きな差がないこと、屋内での日常生活時に熱中症に警戒する必要のあるWBGT25°Cを上回らないことを確認した。