PC箱桁橋の生産性向上に対する施工報告--伊南バイパス4号橋

摘要

伊南バイパスは，長野県上伊那郡飯島町本郷を起点，駒ヶ根市赤穂を終点とする延長9.2kmの一般国道153号のバイパスである。伊那谷を貫く国道153号の中でも，飯島町から駒ヶ根市までの区間は，複雑な地形に沿ったルートであるため，走行条件が悪く交通事故が頻発している。また，駒ヶ根，飯島の両市街地部は，通勤時や休日を中心として渋滞が著しく，日常生活への影響も深刻化している。これらの問題を解決するため，伊南バイパスの整備が進められている。本橋は全長9.2kmの伊南バイパスの内，飯島工区5.0km区間の中田切に建設する3連からなる橋長990mのPC高架橋であり，当工事は中央部の325m区間を固定支保工架設により施工した。工区境界部（P8，P14）において，隣接工区と施工時期が重複するため，早期に工区境界部の施工を完成させる必要があった。また，プレストレス導入やトラス梁特殊支保工の組立解体などの特殊技能を有する労働者が不足していた。労働者の人材が不足している中で逼迫した工程を遵守するためには，生産性向上に対する取組みが必須であった。本稿では，これらの特徴に起因する課題を解決するための生産性向上に対する取組みを報告する。