自動券売機を利用した磁気券一括発券システムの開発: イベント時における手売り用乗車券の事前発行

摘要

ＪＲ西日本では初詣や花火大会、紅葉狩りなどの各季節特有の催し事、コンサートやスポーツ観戦などのイベント事などが発生すると、各最寄駅に多数のお客様がお越しになり、きっぷ発券業務が窓口?自動券売機では応対しきれなくなる。そのため、イベント事があると事前にきっぷを発券し、改札窓口付近で駅係員が手売りにて乗車券を発売する運用を行っている。この手売り用の乗車券を発券する携帯型発券端末（以下、ＴＰＰ）が使用開始より２０年以上経過しており、部品枯渇による保守対応の難航、運賃データ?プログラムデータの変更対応が困難となり、運用維持が厳しくなってきた。２０１４年４月の消費税８％対応時は何とかデータ修正は実施できたが、２０１８年１０月に各発行機で対応した天皇生前退位に伴う券面発行年変更（和暦２桁?西暦４桁変更）が対応できず、ＴＰＰのみ以降も和暦２桁の券面で発行していた。ＩＣ乗車券が普及している世の中ではあるが、まだまだきっぷを利用し列車に乗車されるお客様も多数いらっしゃるため、後継機種の開発を検討した。しかし、単なる後継機種開発ではきっぷ発券の仕組み、集計データの送信などを新規作成する必要があり開発コスト増が懸念されたため、今回、駅に既に設置されている近距離型自動券売機（ＨＴ５０型）を利用し、ＴＰＰの後継となる『磁気券一括発券システム』の構築を検討することにした。