生分解性作動油と他種油の混合が劣化に及ぼす影響

摘要

地球環境問題への関心の高まりから，屋外で使用される潤滑油の漏出による水質·土壌汚染環が問題視されている.潤滑油の多くは，鉱物油をベースとして製造されており，漏洩した場合，自然界で分解されず長期間にわたり残存し，環境へ悪影響を及ぼすと言われている.そのため，屋外で使用される機械設備には環境負荷が低い「生分解性潤滑油」の使用が求められている.一方，油圧システムでは定期的に更油と呼ばれる作動油の交換を行う.近年の生分解性潤滑油の需要の高まりから，更油の際に，鉱物油系作動油と生分解性作動油が混合する可能性がある.生分解性潤滑油は鉱物油との混合安定性に劣り，混ざると沈殿を生じると言われているが未解明な部分も多い.