導電性インク印刷による回路形成技術を用いた歯車用センサ開発: プラスチック歯車側面に印刷したき裂検知センサの特性評価

摘要

プラスチック歯車の運転試験では一定の回転速度，負荷トルクの下で，試験歯車に損傷が生じるまたはかみ合い回数が打ち切り値に達するまで行う.このとき，試験歯車の損傷をできるだけ初期の段階で検知することがこの試験では要求される.一般に歯車の損傷検知は，歯車のかみ合いに起因する音，振動，温度の測定に基づく監視方法が用いられているが，これらの方法は歯車が歯車箱内で高速回転している状態を簡便に観測することができるという利点がある一方，試験終了の判断に必要な初期の小さなき裂発生の検知には困難を伴うという欠点がある.歌川は歯車の歯元フィレツト部にひずみゲージを貼りつけ，歯元応力を計測する手法を提案したが， @2これらの測定はひずみゲージを貼ることのできる，ある程度以上の大きさの歯車に限定される.