干渉フィルタを用いた分光カメラシステムの較正とその応用

摘要

マルチバンドカメラシステムは一般的なRGBカメラと比較して色再現性に優れている。さらに，物体表面の各標本点にて，分光反射率のような物体固有の重要な表面特性を推定することも可能となる。それゆえ，様々な方式のマルチバンドカメラやマルチバンドカメラシステムが提案されている。パッシブな方式に限定して言えば，代表的なマルチバンドカメラシステムとして，RGBカメラに幾つかのカラーフィルタを取り付ける方式[1]や，モノクロカメラにカラーフィルタを取り付ける方式［2］がある。さらに波長分解能を向上させるため，より狭帯域に分光し画像を取得する方式もあり，干渉フィルタを用いた方式［3］や液晶チューナブルフィルタを取り付ける方式もある。しかしながらパッシブ方式で分光する場合，波長透過率の安定性や分光反射率の推定精度，計測時のフィルタ交換に要する時間や煩雑性等が問題となる。