面取りされたエッジ位置計測のためのオンマシン高さ計測

摘要

工作機械を用いた加工現場では、加工前調整工程の自動化が望まれている。これまでは、工作機械の加工定盤上に対するワークの傾きや位置を手動で調整しているため、非常に時間がかかり、作業者の技量によってばらつきが生じていた。そこで、機上に計測機を設置し、ワーク位置や形状を自動で計測できるシステムとして、接触プローブセンサが検討されてきた。プローブセンサは、ワークにプローブの先端球(球径Φ1mm)を押し当ててワーク位置を計測する。しかし、プローブセンサは、計測位置間を移動する際に高さ方向への移動が必要なため計測に時間がかかり、基準穴のような先端球が入らない箇所は計測できなかった。その他の機上計測技術として、加工前だけでなく加工後の寸法計測を目的として様々な方法が考案されてきた。その中でも、近年、レーザ変位センサを用いた機上計測手法が研究されている。加工ヘッドに取り付けられたレーザ変位センサにより、ワーク上面から非接触で寸法計測を行うことができるため、計測点を移動する際に高さ方向の移動を必要とせず、また、接触プローブでは計測不可能であった基準穴も計測可能である。しかし、安価なレーザ変位センサでは、計測ワークの表面形状(幅2～3μm、高さ1～2μm程度の凹凸形状)によって反射特性が変化し、計測誤差が生じるという課題があった。そのため、オートフォーカス機構を付けた高精度な変位センサが機上計測向けに検討されているが、非常に高価なため汎用的に搭載することは困難であった。そこで、ワークの2～3μmの凹凸形状の影響を低減し、安価でかつ、接触プローブと同等精度±1μmの光学式センサが必要となる。