生体観察を目的とした 非侵襲可視光プロジェクショントモグラフィの開発

摘要

被写体の周囲方向からX線を照射してその透過量を計測し、再構成演算によって被写体の断層画像を出力するX線CTは、その利便性から様々な分野で幅広く利用されている。しかし、生体はX線に長時間さらされると染色体に異常が生じる可能性があるため、頻繁な撮影を行うことは避けられている。このため、特にX線被爆による影響が大きい植物や小動物を経時的に観察するためには、X線よりも波長の長い可視光の利用が望ましい。しかも、可視光はX線に比べて発生·検知が容易なため、低コストで小規模な装置の設計が可能となる。これまでに近赤外光～可視光を用いた生体計測技術として、静脈認証システムや網膜撮像のような生体の形状計測、光トポグラフィのように、生体表面もしくは深度の浅い表層部からの反射光を観察する技術が実用化されている。