土壌中カドミウムの現場分析を目指したナノ薄膜試験紙の応用

摘要

土壌中カドミウムは数百からサブppb レベルで存在し、土壌含有試験にICP-OESが用いられるように、一般的な分析法は機器分析である。しかし、ラボでの酸抽出やアルカリ融解による前処理が複雑であり、また採取地点により濃度が異なる可能性があるため、大量のサンプルを現場で簡易にスクリーニングできる方法が求められる。我々が開発したTMPyP/シリカナノ薄膜試験紙は水試料中のカドミウムイオンを通液濃縮により分析可能であり、検出限界0.102 ppb、分析時間23 分(100 mL)である。そこで、Figure 1.に示すように試験紙裏面にCd-TMPyP 錯形成の至適pH 保持のためのpH 緩衝ゲル及び土壌中カドミウムの抽出及びイオン化のための酸性ゲルを導入し、試験紙の色変化による土壌中カドミウム検出を目指す。