プロトン化したhexamethylenetetramine とdabco からなるイオン性置換型固溶体における結晶構造と誘電性

摘要

無機ペロブスカイトでは、強誘電性や圧電性などの諸性質をイオン置換した固溶体を用いて制御できる。その際、イオンの大きさや分極率と物性の相関が明らかなため、目的や用途に応じて材料特性を調整できる利点がある。一方我々はこれまで、非中心対称的な球状アミンであるヘキサメチレンテトラミン(hmta)を用い、金属を含まない金属フリーペロブスカイト型構造(hmtaH2)(NH4)Br3 (h-Br)が強誘電性を示すことを明らかにした。本研究では、ヘキサメチレンテトラミンを非中心対称なドーパントとして用い、対称性が異なる分子種からなる固溶分子結晶における構造-誘電特性の相関の理解を進めた。