芽室町における廃プラスチック混合ペレット燃料の社会実装

摘要

北海道十勝管内芽室町では，長いも収穫量が全道第3位と多くあり，その収穫にともない大量の農作物残さが発生する。長いもの農作物残さに混入しているポリエチレン製の育成ネット（プラスチックネット）は，茎葉や土砂を分離することが困難であるため，マテリアルとしての再利用が難しい。しかし，発熱量が高いため，バイオマスと混合することにより発熱量の向上が期待できる。そこで，筆者らはプラスチックネットをバイオマスに割合を変えて添加してペレット燃料を試作し，各種性能を評価した。また，土砂分離による燃料性能の向上や製造装置（ダイス）の磨耗状況について報告した。本報では，社会実装を目指して，芽室町の製造施設で廃プラスチック混合ペレット燃料を製造し，町内宿泊施設に設置したポイラに供するとともに，新工場を建設した場合のコスト試算を行ったので報告する。