エポキシ／シリカカプセルナノコンポジットの作製と内部電界分布の評価

摘要

近年、ポリマー絶緑材料にセラミックスナノ粒子を添加したポリマーナノコンポジット絶縁材料が注目を集めている。ナノ粒子を添加することで、絶縁材料の様々な特性の変化や向上が報告されている。これまでに本研究では、中空構造を持つシリカナノ粒子(中空ナノシリカ)に着目し、これを添加したエポキシナノコンポジットの低誘電率特性および絶緑破壊強度を明らかにしている。この中空ナノシリカの分散状態を更に向上することを実験的に検討する中で、大半の中空ナノシリカの内部空間をエポキシ樹脂で満たしたエポキシナノコンポジット(エポキシ／シリカカプセルナノコンポジット)を作製できた。本論文では、実際に作製したエポキシ／シリカカプセルナノコンポジットの切断面を電子顕微鏡で観察し、粒子空孔率を評価した。さらに、電界計算により求めたエポキシ／シリカカプセルナノコンポジット内部の電界強度分布を、中実なナノシリカ粒子を用いたエポキシナノコンポジットの電界分布と比較することにより、その特徴を評価した。