夏季の顕著な北極低気圧とその予測可能性

摘要

平成30年7月豪雨においては、兵庫県内の15巿町 に大雨特別警報が発令され、家屋の倒壊や、広範囲に 渡つて交通機関が麻痺するなどの被害が発生した。7月 5日から8日にかけて、神戸の官署の観測で435.5 mm もの積算降水量が記録されている。神戸巿周辺での豪雨は、同巿西区にある情報通信研究機構(NICT)のフェーズドアレイ気象レーダー (PAWR)によってよく捉えられており、淡路島の東海上 から神戸市付近に向けて、活発な対流とみられる強いエコーが次々と北上してくる様子が観測されていたc本発表では平成30年7月豪雨を対象に、30秒ごとに 観測されるPAWRデータを100 m メッシュの数値モデ ルに同化する実験を行い、解析値および予報へのイン パクトを調べるとともに、PAWRで捉えられた活発な 対流の再現性についても議論を行う。