物理に苦手意識を持つ人達への物理現象の説明: エネルギー環境教育?啓発活動を通じた物理現象理解促進の試み

摘要

平成14年から福井大学がエネルギー環境教育の拠点大学に選定されて以来エネルギー環境教育啓発活動に関わってきた。科学イベントでの実験教室， PTAの出張講座，教員免許状更新講習，大学での共通教育科目などへと展開しながら，熱力学に関わる現象を数式や専門用語をできるだけ使わずに演示実験，イラスト，比喩的な表現を活用して説明してきた。教員免許状更新講習や共通教育科目受講者の受講前後の変容記述で理科に対する苦手意識が低減したり，数式を使わずに物理現象をある程度理解できたりすることを知ったと記述する受講者が多かった1)。これらの結果をもとに，教育の中での物理現象の伝え方について考察する。