環境計測用マルチコプター搭載ライダーの検討

摘要

ライダーとは、距離の測定や、大気中のエアロゾルや微量大気成分の測定に用いられている遠隔計測システムである。マルチコプターは複数のプロペラにより無人飛行する小型航空機で、主に空中撮影に広く利用されている。GPSを利用した自動飛行が可能で、自動回帰機能等の安全システムが搭載されている。近年、コスト低下により一般にも広く利用され始め、輸送用の大型マルチコプターも登場している。すでにライダー搭載マルチコプターによる距離計測やマッピングが実用化している。我々はライダーを用いて大気中の二酸化炭素やオゾン、水蒸気といった微量ガスやエアロゾルの空間分布などの環境計測をおこなっている。そこ．で、マルチコプターに環境計測用のライダーを搭載することにより、地上設置型のライダーでは困難な広域の環境情報を取得できる。特に災害や事故が発生した場合、人が容易に立ち入ることのできない場所での環境情報の迅速な取得は、災害·事故後の対応策を考えるうえで大きく貢献できると考える。本講演では、マルチコプクーに搭載する小型ライダーの送受信系の光学配置に検討を行った。