都市気象LES モデルと境界層レーダーを用いた大気境界層を突破する熱的上昇流の発見

摘要

近年都市における局地的豪雨（ゲリラ豪雨）は時間?空間スケールの小ささから予測が困難で，都市に重大な被害をもたらしており，積乱雲発生初期の段階である豪雨のタマゴに焦点を当てた研究?観測が行われてきた．その研究の新たな段階として，積乱雲の発生する前のステージが新たな着眼点となっている．都市における熱的上昇流がどのような条件で境界層を突破し積雲を生成するかを解析し，ゲリラ豪雨の解明に繋げていく．本研究は山口ら（2016）が開発した都市気象LES モデルを用いて熱的上昇流が境界層を突破する要因解析を目的とし，上昇流を観測可能な境界層レーダーによる検証を行う．