炭化ホウ素－炭化ケイ素複合セラミックスの特性に及ぼす添加物の影響

摘要

炭化ホウ素(B4C)-炭化ケイ素(SiC)複合セラミックスは高硬度，高弾性を有するセラミックスとして，多方面 での用途が期待されている．B4C-SiC 複合セラミックスに関するこれまでの報告では，単味のB4C やSiC と 比較して単味の特性を大きく阻害すること無く緻密化に必要な焼成温度を下げられることが報告されている．しかし，複合セラミックスの焼成は2000°C以上と高温が必要であるとともに，複合セラミックスの特性 はB4C やSiC と大きな差異はなく，さらなる向上が期待されている．そこで、本研究ではB4C やSiC と比べ て高融点で，高硬度であるチタン，タングステン，ニオブなどの炭化物及びホウ化物を添加物に用い，反応 性，焼結性，及び機械的特性の観点からB4C-SiC 複合セラミックスの特性に及ぼす添加物の影響について検 討を行った．本稿では，一例として炭化チタン(TiC)を添加物に用いたB4C-SiC 複合セラミックスの反応性と 微構造について報告し，他の添加物を含めた複合セラミックスの焼結性および機械的特性については当日報 告する．