顕微ラマン分光法による多結晶3C-SiC 膜の自由キャリア評価

摘要

CVD 法を用いて生成された多結晶の3C-SiC 膜は耐酸化性、耐熱性や化学薬品性に優れていることか ら半導体部材のコーティング膜や自立膜として使用されている。この多結晶SiC 膜はウェーハと同様にキャ リア濃度を制御する必要があるが、一般的に行われているキャリア濃度を評価する方法は破壊分析である。 一方、ラマン分光法は、プラズマ振動が縦光学(LO:Longitudinal Optical)フォノンと結合して形成するLO フォノン－プラズモン結合モード(LOPC:LO-phonon-plasmon coupled mode)を利用することで、非破壊で自由 キャリアを評価することが可能である。今回はラマン分光法を使った多結晶3C-SiC 膜中の自由キャリアの評 価方法について紹介する。