DNA DNA DNA DNA ポリメラーゼ連鎖反応を用いた金ナノ粒子/DNA ゲル の作製

摘要

DNAポリメラーゼ連鎖反応 (PCR)はDNAポリメラー ゼを用いてDNAを連鎖反応的に増幅させる反応である。 PCRは短時間で大量のDNA断片を得られることから生 物, 医学分野において広く用いられている。また、 DNA の長さや配列を精密に制御できるという特長もあ る。本研究では PCR 法をゲル作製へ応用することに着 目した。PCR で長さの揃った2本鎖のチオール化 DNA を合成し、金ナノ粒子 (AuNP)表面にそれらを固定化す ることで、AuNP を架橋点、DNA を主鎖とするネット ワークを構築させ、ゲルの形成を試みた（Fig. 1）。従来 のゲルではゲルの物性を決定付ける高分子鎖長の制御 は困難とされてきたが、PCR を利用することによりゲ ル骨格の精密な制御が可能となると期待される。また、 作製したゲルは AuNP と DNA の特性を有しており、 様々な刺激に対する応答性を示し、かつゲル骨格を構 成するDNAは遺伝情報を有するため、無細胞タンパク 質合成に応用が可能であると考えられる。1)