熱異性化前処理を伴う超臨界 CO2中での カロテノイド含有エマルションの作製

摘要

カロテノイドの一種である β カロテンは黄に近い色 を呈し、その強い抗酸化作用から天然着色料や化粧品 として利用されている。β カロテンは水に不溶で、前 述した用途に利用する際は乳化処理を行い水溶化させ る必要がある。しかし、従来の乳化法では有機溶媒を 使用するため製品への溶媒残留や、溶媒除去工程が必 要となることが問題点となる。本研究では、有機溶媒 の代替溶媒として超臨界二酸化炭素を用い β カロテン エマルションの作製を試みた。しかし、β カロテンは 多くが trans 体で、超臨界二酸化炭素への溶解度は極 めて低い為、本研究ではさらに異性化処理によって超 臨界二酸化炭素に対する β カロテンの溶解度を増加さ せ、乳化効率の向上を試みた。また、エマルションの 安定性を評価するために2週間の保管試験も行った。