アンチファウリングに向けた水処理膜表面精密制御法の 確立と特性評価

摘要

水処理膜は、高品質な精製水が得られること、膜細 孔サイズにより分離物質の選択が可能であるといった 利点を持つことから、実用化が進hでいる。一方で、 タンパク質などの不純物が膜表面に吸着して透過流速 が大幅に低下するファウリング現象が問題となってい る。ファウリング抑制には膜の親水化やポリマー鎖に よる立体反発が有効とされており、特に親水性の高い 双性イオンポリマーの膜への修飾が有効である1 。し かし、修飾するポリマーの分子量や密度の精密制御が 難しく、膜表面制御が動的なファウリング挙動に与え る影響については明らかとなっていない。我々は Fig.1のようにリビング重合により修飾ポリマー分子 量を、表面修飾反応時のポリマー鎖の広がりの考慮に より修飾ポリマー密度を制御可能な膜表面修飾精密制 御法を開発した2 。本発表ではシリンダー状の細孔を 有するポリエチレンテレフタラート(PET)膜表面を修 飾し、膜表面精密制御が動的なファウリング挙動に与 える影響について評価することを目的とした。