テトラセンアルカンチオール修飾金ナノクラスターの構造制御と一重項分裂を介した長寿命三重項励起子の生成

摘要

自己組織化単分子膜(SAMs)は一般にAu-S 結合の形成に伴う高密度かつ高配向な分子集積が特徴であり、有機色素を修飾した単分子膜保護金ナノクラスター (MPC) が多数報告されている。当研究室では、アセン系分子が一重項分裂の発現に必要なE(S1)≥ 2 E(T1)のエネルギー条件を満たすことに着目し、ペンタセン(Pc)アルカンチオール修飾MPC の高効率SF を報告している。1 一方、同じアセン系のテトラセン(Tc)ではE(S1) ≈ 2 E(T1)であり、逆反応の三重項-三重項消滅の制御が不可欠となる。