屈折率センシング光コムを用いた液体サンプルの温度?濃度同時計測

摘要

屈折率は光と物質の相互作用を表す物質の誘電率から導かれるため, 屈折率を正確に評価することで, 物質の状態を評価することにも繋がる. 我々は, 液体屈折率を高精度計測するために, マルチモード干渉（MMI）ファイバーセンサー内蔵型光コム共振器を用いた屈折率計測手法を提案している. この方法では, MMI ファイバーセンサーの屈折率依存性スペクトルシフトと共振器ファイバーの波長分散を利用して,屈折率変化をRF 周波数変化に変換して計測することにより,高精度計測を実現する.一方, 液体の屈折率は,その濃度および温度に依存するため, 高精度に屈折率を決定するためには温度変化および濃度変化に伴う屈折率変動をそれぞれ考慮する必要がある.これまでは液体温度を一定にし, 濃度変化に対する液体の屈折率変動を測定してきた. しかし,環境外乱による温度変動を十分に抑制することは容易でなく,残留温度揺らぎが計測精度を制限する要因となっていた.