非偏光による光重合を利用した二次元分子配向制御

摘要

精緻な分子配向制御はソフトマテリアルの機能化において極めて重要であり，二次元的に分子配向が制御された材料は優れた光学機能を発現する。中でも外部刺激応答性や自己組織性を有する液晶材料は，簡便に巨視的な異方性を制御できるため幅広い応用が期待される。液晶分子を配向させる有効な手法として，光配向法が開発されている。光応答性分子を含む材料への直線偏光照射により偏光に依存した分子配向が誘起できるため，偏光方向を制御することで自在な二次元配向パターニングが実現できる。最近われわれは，新たな光配向法として空間強度分布を有する光重合を用いた分子配向法を開発している。本手法では光強度分布に応じた分子の移動を配向の駆動力としているため，非偏光の照射により一段階で分子配向パターンを誘起できる利点がある。そこで本研究では，シアノビフェニル基を有するアクリレートモノマー混合物に様々な光形状により光重合を行い，二次元分子配向パターン形成について検討した。