Co-Mnプルシャンブルー類似体の酸化還元電位の温度係数

摘要

我が国の高いエネルギー消費に対して、発電における非化石エネルギー源の占める割合は低い。よって、非化石エネルギー源を用いた低コストかつクリーンな発電方法は我々の社会が抱える課題の一つである。近年、柴田らは、2次電池を転用し、室温付近の未利用熱エネルギーを電力変換するデバイスを製作した。このデバイスは正負極に酸化還元電位(V)の温度係数(α= ?V/?T )の異なるプルシアンブルー類似体を用いており、デバイス全体を加熱もしくは冷却することにより電位差を生じさせる。ここで物理的な視点からαを眺めると、その支配的な要因は正負極におけるエントロピーの変化と考えられる。より大きなαは、より大きな電位差を生むことを可能にすることから、デバイスの実用化においては必要不可欠である。