ハイプリッド材料のための滅菌方法の研究

摘要

体内埋め込みデバイスを生体内に適用した際の、生体適合性は重要な課題であり、人工血管や人工関節、ペースメーカーなどを対象として多くの研究が行われてきた。体内埋め込みデバイスの中でも人工臓器が臨床応用されており、中でも心臓のポンプ機能を代替する人工心臓は国内?海外で年間約60?80例使用されている。人工心臓の中でも補助人工心臓(Ventricular Assist Device: VAD)は、急性あるいは慢性の心筋障害により、心臓のポンプ機能が低下し、その結果、全身に必要とされる血液を拍出できなくなった心臓のポンプ機能を補助するものであり、最も多く使用されている。VADの埋め込みに際し、現在問題とされるもののひとつが、脱血カニューレ周辺に形成される血栓である。現在、医療現場で使用されている医療材料は人工材料と生体由来材料の2つに大きく分けられるが、この形成される血栓は、人工材料で作製された脱血カニューレの生体適合性が悪く、周りの組織と結合しないため、カニユーレと組織との間に隙間ができてしまい、そこに血液が入り込むことが原因とされる。