範囲概念を基本とする多目的性能同時満足化設計（セットベース設計手法）

摘要

不確定性は様々な観点から論ずることが可能であるが，ここではおもに設計の観点からの不確定性について論じた。その上で不確定性の表現として，範囲と範囲内の選好性分布で設計を考えることを提唱した．一方，設計における多目的性能の同時満足化の重要性を指摘した．結果として，多目的性能の同時満足化設計手法として，選好度を有する範囲に基づく設計（Preference Set-Based Design: PSD）手法の考え方と具体的手順を紹介した．また多目的性能の同時満足の設計課題として，ラダーフレーム構造設計を取り上げ，PSD手法を適用した．その結果，課題にした構造の強度と軽量化の2性能の同時満足範囲解が短時間で求まることを示すことができた．