胃X線像を用いたHelicobacter pylori 感染の判別

摘要

近年，Helicobacter pylori (Hp) の感染が胃がhの発 症の原因となることが判明し，健康診断の胃X 線検査 の際にHp 感染の有無を同時に診断できれば将来的な胃 がhのリスクを知ることができる．現在，Hp 感染の診 断は血液検査で行われているが誤診も少なくなく別の診 断方法としてX 線写真による画像診断があるが，X 線 写真によるHp 感染の診断は熟練した医師でなければ難 しく，胃X 線像を対象としたHp 感染診断システムが提 案されている[1]．しかし，この手法では，診断に用い る特徴量を求める際にノイズの影響を強く受け，誤判別 する問題があった．そこで本研究では，胃X 線像から襞 のエッジを抽出した後，襞の濃度値の特徴に着目してノ イズを除去することで襞を認識し，襞の状態を表す特徴 量を用いてHp 感染の有無を判別する手法を提案する．