4JL ゲートを用いた断熱型量子磁束パラメトロン用電圧ドライバ回路の動作実証

摘要

近年、半導体集積回路は微細化の限界や消費電力の増 大といった問題に直面しており、エクサスケールスーパ ーコンピュータの実現には低消費電力論理回路が必須で ある。そこで半導体集積回路に比べ3 桁程度消費電力を削 減可能かつ数百GHz の高速動作が可能な単一磁束量子 (Rapid Single-Flux-Quantum: RSFQ) 回路、また断熱的な回 路動作によりRSFQ 回路よりも更に3 桁程度消費電力を削 減可能な断熱型量子磁束パラメトロン (Adiabatic Quantum- Flux-Parametron) 回路[1]が注目されている。AQFP 回路は 出力信号レベルが小さく、既存の半導体増幅器での高速 測定が困難である。よってAQFP 回路の高速動作実証を 行うためには、高周波信号を室温機器で読み出すための 電圧ドライバ回路が必要となる。本発表では、4JL ゲート [2]を用いたAQFP 回路用の電圧ドライバ回路について報 告する。