低レイノルズ数で作動するプロペラの設計パラメータが空力性能に及ぼす影響

摘要

現在，JAXA宇宙科学研究所を中心に火星探査用無人航空機の研究?開発が行われている1)．火星大気の主成分は二酸化炭素であることなどから推進装置には電動プロペラが用いられる．航空機の航続距離を確保するために，プロペラは高効率であることが求められる．表1に地球と火星の大気物性値を示す．火星の大気密度は地球の1%程度であることからプロペラ周りの流れは低レイノルズ数流れとなる．また，火星までの輸送を考慮すると機体の大きさは大きく制限され，それに伴いプロペラ半径も小さくなる． 本研究では高効率な火星プロペラを開発するために，プロペラ半径Rを設計パラメータとしていくつかの形状を設計し，風洞実験と数値解析でそれらの空力性能を調べた．