引張変形したAl－Cu－Mg合金の水素挙動に及ぼすひずみ速度の影響

摘要

時効硬化型合金であるAl-Cu－Mg合金とAl-Zn－Mg合金は高強度であり，航空機などの構造用材料として使用されている．Al－Zn－Mg合金は応力腐食割れ（SCC）を起こしやすいことが知られている．SCCとは応力が加わった状態で腐食環境下にさらされたとき，き裂が発生，成長して破断に至る現象である．Al-Zn－Mg合金のSCCのき裂の伝播機構は水素脆化によると考えられている（1）．Al－Cu－Mg合金においてもSCCが起こるが，その機構は陽極溶解による粒界割れであり，水素脆化を起こさないことが報告されている（2）．?