塩化物イオン環境中でのAl合金の腐食挙動に及ぼす硫酸イオンの影響

摘要

カーエアコン用のAl合金製熱交換器には外面側にZh溶射された押出チューブが広く使用されている。この熱交換器ではろう付熱処理時にぁが熱拡散することでチューブ表面に加拡散層を形成し、その犠牲防食効果によってチューブに腐食貫通孔が発生するのを防止している。Al合金の局部腐食挙動にはハロゲンイオンであるCl~-の影響が大きく、これまで種々の研究がされている。また、海塩粒子や化石燃料の燃焼ガスに由来する硫酸イオン（SO_4~(2－)）もAl合金の腐食に影響を及ぼすことが報告されており、例えば、東南アジアなどの腐食環境の厳しい環境では比較的多量の硫酸イオンの存在による腐食の促進が指摘されている。そのため電気化学的測定などによる基礎的研究が行われている。しかし、硫酸イオンを多量に含む環境における腐食形態や微視的な溶解形態、さらに孔食部でのpH低下挙動を調査した研究はほとhどない。?