純アルミニウム/SS400爆発圧接界面の組織と熱履歴

摘要

爆発圧接法とは，Flyer plateと呼ばれる金属板の表面に爆薬を載せ，その爆轟のエネルギーを利用してFlyer plate をParent plateと呼ばれる金属板に高速で傾斜衝突させ，数μsオーダーの超高速で圧接する固相接合法の一種である．衝突点から，酸化皮膜等を含む金属表面層が金属ジェットとして放出されることにより，金属表面が清浄化され金属結合することによって，強固な接合が達成される．また，接合界面には特徴的な波状模様が得られる．従来の溶接法と異なり，溶融による素材の特性劣化や接合界面での合金化や反応生成物の生成が抑制できるため, 溶融法では難しい組み合わせでも強固に接合できる．しかし，高温かつ大変形にさらされる接合界面近傍では急速加熱と急速冷却の結果と思われる組織変化が観察されるため，接合界面近傍の温度変化や局所的な温度分布を明らかにすることは重要である．そこで，本研究では数値解析と実験の両手法を用いて，板厚の異なるFlyer plat tをParent plateに衝突させて作製した接合材の界面近傍の組織と温度分布を明らかにした．