添加Cu＋Ag量を変化させた擬二元系Al－Mg_2Si合金における時効析出組織

摘要

6000系アルミニウム合金は自動車の構造材等でアルミニウム合金中で最も広く利用されている。6000系アルミニウム合金は時効処理を行うことで平行相Mg_2Si相が析出する。この平行相Mg_2Siに倣い添加Mg/Si比を2に固定した擬二元系Al－Mg_2Si合金も時効処理を行うことで硬さが上昇することが報告されている。Cu、Agを微量添加すると強度や伸びといった機械的性質や微細組織が改善されることが報告されている1，2）当研究室ではAl－1.0％Mg_2Si合金をbase合金とし、それに対しCu及びAgを微量添加したものの時効硬化を行った結果硬さや伸びが上昇し、また最高硬さに達するまでの時間が短くなったことを報告している。微細組織の観点からは本研究室で過去にbase-0.5％伽添加合金においてAl－Mg－Si－Cu_4元系合金における中間相析出物Q'相が析出したことを報告している。2）また0．5％Ag添加合金においてもQ'相に似た析出物が観察されている。