Al-1mass％Mn合金の高温単軸圧縮変形による集合組織の形成挙動

摘要

著者らはこれまでAl－Mg合金、Al-Cu合金3）を対象に高温の単相域で変形温度、ひずみ量、ひずみ速度を変化させて単軸圧縮変形や平面ひずみ圧縮変形等を行い、ある範囲の湿度、ひずみ速度において概ね真ひずみ－1．0以上の変形で既知の変形集合組織とは異なる集合組織が形成されることを見出し、そのメカニズムを検討してきた。集合組織の主成分は変形量が小さい場合には通常の変形集合組織が形成され、ひずみを増大することにより集合組織の遷移が確認された。これは溶質原子雰囲気の効果によって転位が孤立して存在する変形組織となることで結晶粒間の蓄積エネルギーの差が拡大し、高温変形時に安定で蓄積エネルギーの低い結晶粒が成長して形成されたと考えられる。そして、この集合組織形成のメカニズムを優先動的結晶粒成長機構4）と呼ぶこととした。