電子ビーム積層造形法による特異層状組織導入とこれを用いた高延性Ti48Al-2Cr－2Nb合金の開発

摘要

三次元積層造形法の一種である電子ビーム積層造形法(ElectronBeam Melting ；EBM）は不純物の低減、難加工材への複雑形状の付与等の利点から、TiAl製タービンブレードの作製プロセスとして大きな期待が寄せられている。本造形法は三次元のCADデータから二次元のスライスしたデータを作製した後、このデータを元に熱源として電子ビームを利用して原料粉末を溶解·凝固させる工程とリコータにより粉末を散布させる工程を交互に繰り返すことで三次元形状を得る。これまで多くの研究がなされているが、その多くは形状付与についてのものが主であり、EBMによる組織制御やこれに伴った力学特性の評価については未解明な部分が多い［1－7］。そこで本研究では、Ti－48Al-2Cr－2Nb合金（at．％）造形体を作製し、延性の向上に向けたEBMによる組織制御の一例を提案する。