内部凝縮型反応器(ICR)を用いる二酸化炭素からのDME合成

摘要

CO2を分離回収し、再生可能エネルギーを用いて製造された水素により、液体燃料に転換再利用することは、地球温暖化防止のための有力な方策である。しかし、CO2からのメタノールゃジメチルエーテル(DME)などの含酸素燃料の合成では、CO水素化よりもさらに厳しい平衡の制約があり、また、副生する水による触媒の酸化劣化は深刻である。これら問題に対し、筆者らは内部凝縮型反応器(ICR, Internal Condensation Reactor)を開発し、平衡を大幅に超える高収率で安定にメタノールを合成できることを実証した[1]ー方、DMEも優れた燃料として重要な物質であるが、CO2からの直接合成はあまり報告がなく、銅系触媒とゼォライトの組み合わせにより、230°Cで約1.1%の収率が得られている。 DME合成において考えられる反応を次に示す。