ルテニウム触媒を用いるカルバゾールおよびインドール誘導体の位置選択的炭素-水素結合アセトキシ化反応

摘要

遷移金属触媒を用いたC－H結合の切断を伴う分子変換反応は、アトムおよびステップエコノミ ーの観点から重要な合成手法である1）。特に、配 向基を利用すると、芳香族基質のC－H結合を位 置選択的に官能基化できるため、精密合成にも利 用できる。当研究室ではこれまでに、ルテニウム触媒および銀塩酸化剤を用いることにより、含窒素配向基を持つ芳香族基質のオルト位で選択的 にアルケニル化が行えることを報告している。本研究では、同様のルテニウム触媒系を酢酸とともに用いることで、位置選択的C－Hアセトキシ化が起こることを見出したので報告する。