有色カレットを原料とする白色化泡ガラスにおけるZnO とSiC の効果

摘要

ガラスカレットのリサイクル用途の一つである泡ガラス作製時に、発泡剤とともにZnO を添加することで 茶色ガラス原料から淡色化した泡ガラスが作製でき、またSiC を共添加することで茶色ガラスでも緑色ガラ スでもさらに無彩色化できることを見出した。これにより原料カレットとして他用途の少ない有色カレット を使用して、防犯ジャリ等の目に触れる用途で白色に近い泡ガラスを作製することでその用途を広げる可能 性があることが示された1)。 茶色ガラスではZnO 添加によりFe－S の発色団が分解して脱色すると考えられるが、この際にFe やS が 酸化還元を受けている可能性が考えられるため、蛍光X 線分析でZnO 添加の有無によるイオウの価数変化を 調べた。また緑色ガラスについてSiC とZnO の無彩色化に対する働きは未解明であったため、ESR を用いて SiC による欠陥生成を測定し各添加物の働きを推測した。