可視光応答型 SrTiO3基光触媒の合成と環境浄化への応用

摘要

光触媒は、光を吸収することで生じる強い酸化力により防汚·除菌·大気浄化等の効果を発揮する環境浄 化材料である。1972 年に発表された本多―藤嶋効果に端を発し、酸化チタン(TiO2)や他の複酸化物を用いた 光触媒の研究はこれまでに幅広くなされてきた。中でもチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)は、その光腐食への 高い耐性や熱安定性に富むことから優れた光触媒として知られている。また、SrTiO3 はペロブスカイト型結 晶構造を有することから、構造の各サイトへのカチオンドープも可能となっている。本研究では、高い結晶 性と比表面積を有する高活性な SrTiO3基光触媒を得るために、水熱合成法により SrTiO3ナノ粒子を作製し その特性評価を行った。