高エネルギーX線及び中性子全散乱法を併用した* BEA 型ゼオライト非晶質前駆体中に おける有機構造規定剤周辺の構造形成の解明

摘要

ゼオライトは結晶性多孔質アルミノシリケートの総称 である。 固体酸触媒や吸着剤·イオン交換剤等として広く 用いられる重要な材料であり、有機構业規定剤（OSDA） と呼ばれる有機化合物を合成に用いることで多様な細孔 形状を有するゼオライト合成が可能になる1) 。 しかしなが らその結晶化メカニズムに関して不明な点が多い。この 理由として、一般的にゼオライトは耐圧容器を用いた水 熱処理で合成されるため、核生成や結晶成長過程の前駆 体構业変化に関する理解が十分でないことが挙げられ る。 ゼオライトの結晶化メカニズムを解明するために、 高 エネルギーX 線全散乱法（HEXTS）を軸とした解析結果 が報告されてきたが 2) 、軽元素の X 線散乱能が低いため 有機物の状態に関する知見は不十分であった。