ZrB2-ZrCx-Zr-SiC セラミックス複合材料の反応焼結と力学特性

摘要

硼化ジルコニウムと炭化ジルコニウム（以後、それぞれ ZrB2、ZrCと記述する）は高融点、高強度、 高熱衝撃抵抗、かつ高導電率と高熱伝導率を持つため、超高温材料として、近年、注目を集めている。しか し、この種の材料は難焼結性とセラミックス固有の「脆性」という問題点がある。その難焼結と「脆さ」を 克服するために、著者らは、反応焼結法により板状 ZrB2結晶粒を有する ZrB2-ZrCx-Zrセラミックス複合材料 の低温作製に成功した。得られた ZrB2-ZrCx-Zr セラミックス複合材料の曲げ強度と破壊靭性がともに顕著に 向上された。しかし、この反応焼結により得られた ZrB2-ZrCx-Zr セラミックス複合材料は、高温で、大気中 にて、酸化しやすいという問題点がある。したがって、この種の複合材料の耐酸化性の向上は不可欠である。 従来の研究結果から、この種の超高温セラミックス材料の耐酸化性の改善するために、SiC 粒子の添加は有 効な手法であることが明らかになった。本研究では、ZrB2-ZrCx-Zr セラミックス複合材料の耐酸化性の向上 するために、 SiC 粒子を添加した ZrB2-ZrCx-Zr-SiC複合材料を作製し、 反応焼結挙動および緻密挙動を調べ、 得られたセラミックス複合材料の微細構造の観察と室温曲げ強度の測定を行い、ZrB2-ZrCx-Zr-SiC 複合材料 の緻密挙動、微細構造および曲げ強度に及ぼす SiC添加の影響を明らかにすることを目的とした。