Perovskite 型構造圧電体薄膜の開発～未来材料へ向けて～

摘要

古くより過去の偉人達により、圧電体材料は豊富に研究されてきた。その中でも強誘電体を用い た圧電体材料は、ドメインスイッチングや電界誘起相転移などの外因的要因によって、巨大圧電性 を示すことが見いだされてきた。現在最も広く使用されている圧電体は、鉛ベースのチタン酸ジル コン酸鉛[PZT]ベースであり、正方晶と菱面体晶の組成相境界(MPB)で巨大圧電性が得られる点が特 徴である。またその温度安定性も非常に高い。 PZT を超える新規材料の開発は長年行われてきたが、 明白にこの特性を凌駕している材料は数少ないと言っていい。例えば、2004 年にSaitoらによって 非鉛圧電材料が発見された[1] 。これは PZT と同様に MPB という概念を適応した系の材料である。