溶融塩法とイオン交換樹脂法を併用した超硬合金廃材からの純金属タングステンの回収と二酸化炭素を用いたタングステン炭化物の作製

摘要

著者らは，WC-Co 系超硬合金のタングステン使用量を削減するために，WC 炭化物中にナノサイズのコバルトドメインを内包させる方法を見出した．(1) このコバルト内包WC 炭化物を超硬合金の原料に用いると，WC 炭化物を7%削減できることを明らかにした．(1）この新規WC 炭化物を用いた超硬合金の組織はナノレベルで微細であることから，VC やCr_3C_2 などの添加剤を必要としない．したがって，リサイクル性にも優れていると考えられる．本研究では，超硬合金廃材から元素としてタングステンを分離回収することを試みた．また，分離回収した金属タングステンから，二酸化炭素を炭素源に用いた気相炭化(2)も試みた．