Cu-Al-Ni 形状記憶合金のマルテンサイト変態に及ぼす不規則化の影響

摘要

Cu-Al-Ni 合金は高温では図１に示すようなD03 型規則構造をとるが、室温付近で熱弾性型マルテンサイト変態し、2H 型のマルテンサイト相になる。変態温度（ Ms）は合金の組成にも依存するが、熱処理によっても著しく変化することが知られている。最近我々の研究室で本合金系の粉末X 線回折を行ったところ、母相の第2 近接間の規則度が急速焼き入を行った試料においてかなり低下していることが分かった。このことから、規則度の低下がMs 点の低下の直接的原因と考えられるが、その点をさらに明らかにするため、第１原理計算により、マルテンサイト相の安定性に及ぼす不規則化の影響を調べることにした。