(5-0385)HPT 加工で作製した超微細結晶粒Cu-Si 固溶体合金の力学特性と低温焼鈍硬化に及ぼすSi 濃度の影響

摘要

Cu に固溶Si を添加すると，その添加量の増加に伴い単調に積層欠陥エネルギーは減少し1，巨大ひずみ加工後には固溶強化量を大きく上回る強度上昇を得ることができる2．またCu 固溶体合金においては，圧延などを施した加工材に対してその後の焼鈍を施した場合に，再結晶温度以下の比較的低い温度で硬化することが古くから報告されている（低温焼鈍硬化）3．加えて，加工ひずみの増加に伴い，低温焼鈍硬化量は上昇するとされている．本研究では，巨大ひずみ加工の一種である高圧ねじり（High Pressure Torsion: HPT）加工を用いて，固溶限近くまでSi を添加した種々の組成のCu-Si固溶体合金について，HPT 加工後の強度が飽和する極限まで形状不変加工を施した際の試料の力学特性，およびその後の焼鈍に伴うそれらの変化について調べた．